令和
新時代が始まった。始まったと思ったらもう誕生日がきて私はまた一つ大人になった。
いろんなものを欲しいと思うけれど、全てが手に入るなんてことは無理なんだよということも分かるようになった。“諦め”ではなく“受け入れた”ということ。だから気持ちはとても楽なのだ。私が大切にすべきは、手に入らない未来のことではなく、今目の前にある小さな幸せなのだ。それに気付けないまま不満を持ち年を重ねたら、いつか死ぬときに後悔すると思う。
この世ではきっと魂の鍛錬をしているのだろう
とふと思う。
先日トナカイさんという方の写真展を見に行った。
前から奥さんの写真や書いている文章が好きで何気なくSNSなどで見てはいたのだけど、実際に写真が見られるのだったらと初めて西日暮里まで出かけた。
写真には詞が添えられていてトナカイさんという人が透けてみえるような気がした。絶望を知りながら光を信じているような意志を感じる文章に胸がきゅうっとなった。
ポストカードや写真集も売ってあったのだけど、どうしてもDMが素敵で。売り物でもないのに声をかけたら「必要でしたらお渡ししますよ」ととても丁寧に上の棚からDMを取り出してくれた。手に取ると活版印刷で紙の素材も明らかに良い…これは無料でもらえない。「おいくらですか?」と聴くと「特別ですよ」と笑って手渡してくれた。
もうなんというか、とても満たされた気持ちで、空を見上げたら真っ青な空が広がっていて“あぁ今日の誕生日は最高だったな”と思えたのだった。
写真は撮る人を写ると思う。こんな写真たちをみることができて幸せだった。
そして夫と家に帰ったら、夫の両親が手巻き寿司とケーキを用意してくれていた。
これ以上何を望むことはない。
ありがとう。
幸先良いな、令和。
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