anemone

美味しいものの話から、ただの独り言まで。

卵の緒

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「卵の緒」という小説がとても好きだ。家族や人との繋がり、紡いで解けて、それでも温かい。読んでいて胸のここらへんがほわっとして、ぎゅっとなって幸せな気持ちになる。うまく表現できないのだけれどとても好きな1冊なのだ。

これは家族の話なのだけれど、いわゆる普通の家族とは違う。

血の繋がらない親子の話や微妙に繋がった姉弟の話だ。

 

私も家族について考えてることが多い人生だった。

いわゆる普通の(普通がどれかと言われると難しけれど)「家族」というものに憧れていた時期もある。

作者の瀬尾まいこさんも書いていたが、“手に入らないとわかっているからこそ、焦がれていた”のかもしれない。

でも今は違う。血の繋がりというのは私にはたいして重要なことではない。

時にはとても煩わしいものになってしまう事だってある。それになれ合ったり傲慢になったりすることだって。血がつながらなくたって、紡いできた時間や生活や気持ちがあれば本物の家族になれる。

と私は思う。経験からそう思う。

生きている時間が長くなると、繋がっていく関係も多くなる。

夫の家族の中にいるととても心地良い。少し前に夫のお母さんが食器を洗っている姿をぼんやり眺めながら気づいた。私は子供の頃憧れた「家族」にやっと出会えた、と。ちゃんと思いが届いていたのだなと。

もちろん血の繋がりはないけれど、きっと同じ時間を過ごしたりたくさん話をすることで近づける(といいいな)と思う。

家族を紡いでいく、そんな温かい気持ちになる本。

ぜひ読んでもらいたい。

 

(って回し者でも何でもないよ)